まぶち清和後援会

平成19年第5回定例会(12月)

  1. 敦賀のまちづくりは笙の川水系の河川整備にあり
    • 河川整備計画案の住民説明に対する質疑応答内容について

質疑内容の詳細は、敦賀市議会 会議録の閲覧と検索 をご覧ください。

8 : ◯8番(馬渕清和君)

おはようございます。新政会の馬渕清和でございます。
 発言通告書に従い1回目の質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 先月27日火曜日の午後7時より、プラザ萬象にて福井県土木部主催による笙の川水系河川整備計画案の住民説明会が開催されました。私は、あいにくその日は産業経済常任委員会の行政視察に参加をしておりましたので、この日の説明会に出席することができませんでした。そこで私は友人にお願いをして出席してもらい、テープに録音してもらいました。後日そのテープを聞きました。説明会当日の会場内の様子が手に取るようにわかりました。まるで自分も説明会に出席しているような錯覚を覚えました。
 当日、会場には関係地区の区長さん方を初め笙の川沿川に住んでおられる方々、また、この問題に関心のある市民の皆さんのほか、地元の先輩議員も出席されたと聞いています。
 説明会は、主催者側の福井県土木部河川課職員を初め敦賀土木事務所所長、地域整備課の職員さん方が出席され説明されたとのことでした。ちなみに敦賀市からは塚本副市長、道路河川課長が出席されていたと聞いております。
 説明会は午後7時に始まり、当初予定の8時半を大幅に超過し白熱した質疑応答が行われたことは、テープを聞いておりました私にも現場の緊迫した状況を読み取ることができました。関係住民の皆さん方にとって、笙の川の現状がどのようになっているのか、治水能力はいかほどあるのか、すなわちどれくらいの降雨量に耐えられるのか、それに対し県はどのような河川整備をしてくれるのか、期待と不安を持ってこの日の説明会に出席されたのではないかと思いました。
 そこで、会場内の主なやりとりは次のようなものではなかったかと推測しました。
 まず最初の質問は、基本計画案と整備計画案の違いはとの問いに、県の回答は、基本計画案は降雨確率100年、流下能力1200立米パーセコンドで整備しようというものです。片や整備計画案は降雨確率50年、流下能力950立米パーセコンドで整備しようというものですとのことでした。
 次の質問は、河床掘削で整備しても一度大雨が降ればもとのもくあみではないか。笙の川の河口は海である。よって河床掘削しても海水があるから流下能力がふえないのではないかの問いに、県は、河床掘削をすれば河積がふえ、降雨量が多くなった場合流速が増す。その結果、海水を押し出す力が働くので、掘削工事は十分有効な対策工事となりますということでした。
 次の質問は、なぜ河口より木の芽川合流点までは50年確率で整備し、それより上流は30年確率で整備するのかとの問いに、県は、莫大な事業費と多数の家屋移転が伴い、整備期間も長くなるため、他都市とのバランスも考慮し、当面、木の芽川合流点より下流は50年確率の950立米パーセコンドでの整備計画で事業を進め、また黒河川合流点より木の芽川合流点までを30年確率、550立米パーセコンドで整備したいとの回答でした。上流側を30年確率にした理由は、下流域の流下能力負担を軽減するためですとの説明でした。
 次に、工事概要について、どのような工事を何年かけて行うのかとの問いに、県は、護岸と橋台、橋脚の補強、頭首工付近の一部引き堤及び河床掘削の予定をしているということでした。しかし、この質問の何年かけて実施するのかの問いには回答がありませんでした。
 そして次の質問は、来迎寺橋は余裕高が不足していると聞いているが橋をかけかえるのかという質問で、県の回答は、来迎寺橋の余裕高不足について、これから測量などを実施して結果を出したい。かけかえやジャッキアップ工法も視野に入れ、一番有効な方法を考えてまいりますとの回答でした。
 そして次の質問は、河床掘削をすると説明されているがどれくらい掘削されるのか。また、何年置きくらいに掘削するのかとの問いに、県の回答は、河床掘削は松島橋付近ではマイナス1メートル、来迎寺橋付近ではマイナス0.5メートルで、木の芽川合流点でプラスマイナスゼロという計画です。また河床掘削の時期について、縦断及び横断面測量を実施し、堆砂状況を常に監視するためパトロール等を実施しながら、必要と認められればその都度掘削を実施します。ちなみに平成10年9月22日、台風7号の日雨量は132ミリで、時間最大雨量は39ミリパーセコンドでした。県では、ハード面で対応することは時間的にもコスト的にも不可能なので、洪水ハザードマップや洪水情報などソフト面を有効活用し対応してまいりたいと考えていますので御協力お願いしますという回答でした。
 次の質問は、木の芽川鉄橋下は断面不足と聞いているがどのように対応されるのかとの質問に、県の回答は、木の芽川のJR鉄橋付近は一番危険なことは十分理解している。しかし、この箇所の流下能力を高めることにより下流の笙の川本川に負担がかかるので、まず笙の川の改良を優先させていただきたいと考えているとの回答でした。
 次の質問は、深川は東洋紡の排水管が高いため勾配がとれず、布田町付近ではいつも浸水被害が発生しているが対策を施してほしいとの問いに、県の回答は、東洋紡の排水管が高いのは承知している。しかし、あの付近の河床は不足しているとは思っていないので、河床勾配を下げることは現時点では考えておりませんとのことでした。
 次の質問は、三島頭首工付近を10メートル引き堤すると言われているがどちら側へ引き堤をするのかとの問いに、県は、三島頭首工付近の引き堤については現時点ではどちら側に引き堤するのか結論は出ておりませんとのことでした。
 最後に、流域検討委員会では学識経験者にも参画していただき過去数回にわたって検討していただいたと言われましたが、何をどのように検討されたか、その結果どうなったのか全然わからないとの問いに、県は、学識経験者の先生方にはこの事業全般にわたって検討していただき、有効かつ適切な御指導、御助言を賜りました。機会があれば皆さん方にも報告させていただきますとの回答でした。
 以上が当日会場での質疑応答ではなかったかと思っております。
 そこで、先日行われました住民説明会の内容を私なりに検証してみました。まず、河道掘削だけで本当に流下能力950立米パーセコンドが確保できるのであろうか。ある文献によりますと、下流端水位が高く背水の影響を受ける場合は効果が少ないと記載されておりました。
 また県OB職員さんの話では、河川が増水した場合、堤外地のり面が天然護岸のため浸食され、大量の土砂を含んだ河川が濁流となり下流に流れ出す。その場合、水の比重は重くなり、流水が増すとともに海水よりも比重が重くなり河口へ到達しても下へ潜るため、河道掘削をして河積を確保してやれば流下能力が増すと言われています。ただし、ここで問題になるのは河川が増水した場合、土砂は言うに及ばず護岸に生えている雑草や樹木のほか流木や家具類、電気製品、自転車等あらゆる粗大ごみ等が流れ出し、それがやがて橋脚や橋台にひっかかり流水を阻害するため、結果的にはプラスマイナスゼロというところです。よって、一概に河道掘削をし河積を確保したからといって流下能力が増すとは限りませんよと。まして笙の川のような急峻な河川は、なおさらいろいろな条件を考慮しなければならないでしょうねと言っておられました。
 私は、この話を聞いてからますます不安になってきました。県当局は、我々水利の知識の乏しい市民にわかりやすい方法で説明会をしていただきたいと思いますし、また、その義務があると思います。
 次に、工事概要と概算工事費、工事工程等について具体的な説明がほとんどなく、何のための住民説明会かなと大変疑問に思った次第です。
 それから降雨量の問題ですが、平成10年9月22日、台風7号の日雨量の件でありますが、元敦賀測候所の観測データでは108ミリとなっておりましたが先日の説明会では132ミリと言われておりました。これはどこで観測した日雨量なのか。また、市内には雨量観測所が何カ所あって、それから呉竹町にある観測所のデータとどのようにリンクしているのか。我々にはなかなか情報が入ってきませんが、実際のところ何カ所あるのですか。河川管理者は情報を開示すべきだと思いますが、まずこのことをお聞きいたします。
 それから、おかしいなという発言がありました。河川改修事業は一朝一夕にはできるものではありません。あと何十年かかるかわからないハード事業を当てにするよりも、県では洪水ハザードマップを策定しました。また、洪水情報システムも策定し、既に関係機関に情報を提供して御利用していただいておりますので、市民の皆さん方も洪水ハザードマップやインターネットを使って洪水情報の収集に努めていただき、早目の避難を心がけてくださいと話されました。
 私は、ちょっとおかしいのではないかと思いました。笙の川は、都市部を流れる県内の河川では一、二位を争う危険な河川として有名です。それを今まで何十年と放置しておいて、今になって金がないからソフトで我慢せよとはないと思います。
 以上が11月27日に開催された笙の川水系河川整備計画案住民説明会の概要であり、私の所見の一端を述べさせていただいたものであります。
 そこで市長にお尋ねいたします。市長は、笙の川の治水安全度の低さについては耳にたこができるくらいお聞きになっておられると思います。これは県管理の河川であるから機会があれば要望していくが、今のところ従来どおりのスタンスで行かれるのか。それとも市民を巻き込んで、市民の先頭に立って河川改修工事の早期着工を目指されるのか、まずお聞きいたします。
 これで1回目の質問を終わります。ありがとうございました。前向きの御回答を期待しております。

9 : ◯市長(河瀬一治君)

それでは、馬渕議員の質問にお答えをしてまいります。
 まず、笙の川は非常に危険な川であるということ、確かに議員のおっしゃるとおり耳にたこができるぐらい聞いておるところでございまして、私どももこの改修につきましては河川管理者であります県に対しまして重点要望事項といたしまして、知事初め土木部長、河川課長に要望をしっかりと行っているところでございます。
 今ほど議員のほうから詳しくその内容等につきましても説明をしていただきましたけれども、さきの説明会のほうでは本当にたくさんの市民の皆さん方が参加をされまして大変活発な意見のやりとりがあったわけでございまして、やはり笙の川改修に関します関心というのは非常に高いなということを強く感じておりますし、区長会等でのお話の中でも必ず、特に西地区の区長さん、また松原地区の区長さんのほうから大変心配であるというお声をお聞きするところでございます。
 これは、笙の川沿川住民の皆さん方で組織をいたします二級河川笙の川整備促進協議会というのがあるわけでございますけれども、そういう皆さん方とともに県に対しまして住民意見を踏まえました整備計画の策定、また早期着工等を要望してまいります。当然、住民の先頭に立って今後ともしっかりと早期に改修できますように頑張ってまいりたい、このように思っております。

10 : ◯副市長(塚本勝典君)

今、馬渕議員の質問で、幾つか課題を整理していただきながら御質問いただきました。私のほうから3点ばかりお答えさせていただきます。
 まず、市民に対するわかりやすい説明会はどうかということなんですけれども、確かに11月27日の説明会、これは河川法上の一連の手続の中で行われた説明会であるというふうに思っておりますけれども、たくさんの人に来ていただきました。そういった中で、やや中身が技術的な問題になるわけでございまして、時間が制約されている中で果たして十分であったかと言われれば、そういうわけにはいかなかったのではないかなというふうに思っております。
 こういうことは、あのときも思いましたが、時間がたつにつれて議論がかなり深まっていったようにも思います。やはり今回の説明というのは不十分であるというのはかなり私も認識しておりますので、これからはもう少しわかりやすい説明をする機会を設けて説明責任を果たしていくように申し入れたいというふうに思っております。
 それから、工事概要云々あるいは工事工程につきまして具体的な説明がなかったということなんですけれども、河川法に基づきます河川整備計画につきましては、水系の概要──ここでいいますと笙の川ですけれども、その水系の概要と、それから現状と課題、あるいは河川計画の目標とする事項、さらには実施に関する事項、この4つの項目があるわけでございます。工事の概要につきましては工事の区間であるとか、あるいは引き堤にするとか掘削にするとか、そういった工法、さらには魚とか植物に対する環境への配慮、それから維持流量はどれぐらい流すか。そういったことが書かれているわけでございます。
 ですから、工事概要につきましては今後の実施計画の段階で明らかにするということなので、必ずしもその中で織り込まなくてもいいということにはなっておりますが、もしあの説明会で概算工事がどれぐらいだというような質問があれば、河川管理者としては当然ある一定の条件のもとにその金額は答えていたのではないかというふうに思っております。
 それから、河川管理者の情報の開示ということでございますが、県としては雨量とか水位とか気象情報、あるいは洪水予報、そういったものは県の河川砂防総合情報システム──これは県のホームページであるとか、あるいは携帯から直接一般の方々もアクセスすることができて、その情報を得ることができるようになっております。そういうことで御利用していただいているのではないかというふうに思っております。
 河川整備計画の内容ということにつきましても、これは住民の意見をきちっと反映するということになっておりますので、地域の方々に十分理解していただくにはもう少しわかりやすい表現を用いて説明していくべきだというふうに思っている次第でございます。
 以上です。

11 : ◯建設部長(小堀八寿雄君)

それでは、私のほうから2点申し上げます。
 まず1点目ですけれども、住民説明会の中での雨量の観測データ108ミリと132ミリの違いですけれども、これにつきましては敦賀測候所における9月22日9時から23日9時までの22日の日雨量が103ミリであり、また9月22日0時から9月23日0時までの24時間雨量が108ミリでございます。
 ここで言っております132ミリと申しますのは、呉竹観測地点のピーク流量を算定するために笙の川流域の平均値として算出したものでございまして、敦賀測候所の観測値103ミリと山観測地──これは県で設けています観測地ですけれども、この152ミリの観測値を面積案分いたしまして算出したものでございます。
 2点目の市内に雨量観測地点は何カ所あるのかということでございますけれども、雨量観測地につきましては敦賀測候所の1カ所、それから福井県が観測地として測定しています敦賀土木事務所、山、疋田、葉原、大比田、色の6カ所がございます。このうち平成10年の台風7号の洪水流量を算定するのに利用しました雨量観測点が、笙の川の流域にあります観測地で一番長い気象庁の敦賀測候所と山の2カ所の平均でございます。
 それから、我々にはなかなか情報が入ってきませんが実際のところ何カ所あるのかという質問に対しましても、先ほどお答えをさせていただきました雨量観測地、それから市内の水位の観測地点が笙の川に3カ所、これは呉竹、野神、堂。それから木の芽川に1カ所、中にございます。
 以上でございます。

12 : ◯8番(馬渕清和君)

それでは再質問させていただきます。
 災害は忘れたころにやってくる、水を治める者は国を治める、こういうことわざもございます。私は、6月と9月議会、過去2回、笙の川について質問させていただきました。今回も質問させていただいております。
 しかし、私の質問に対し世間の反応は決して好意的ではなく、どちらかというと無関心のように感じられます。そこで、私が何かピントが外れていることを言っているのか自問自答してみました。
 多数の市民の方は、敦賀は自然災害が少なく住みよいところだという感覚を持っておられるということに気づきました。まして水害など論外であると思っておられるのではないでしょうか。
 そこで、過去、降雨量はどのようになっているのか調べてみました。昭和33年から昭和44年の10年間で最大日雨量は昭和40年9月17日の211.2ミリでした。次の10年間は昭和50年8月23日の153.5ミリでした。また次の10年間は昭和57年8月1日の165.5ミリでした。次の10年間、昭和60年から平成9年は平成6年9月16日の136ミリでした。そして直近10年間の最大日雨量は平成11年8月15日の111.5ミリでした。
 ちなみに敦賀市民を驚かせた平成10年9月22日、台風7号当日の降雨量は107.5ミリでした。
 また直近10年間の最大日雨量を見てみますと、平成10年は107.5ミリ、平成11年は111.5ミリ、12年は69ミリ、13年は76.1ミリ、14年は79ミリ、15年は52ミリ、16年は56ミリ、17年は81ミリ、18年は84ミリ、そして、ことしはまだ20日ほど残しておりますが、現在までのところ6月22日の86.5ミリが最大となっています。
 ここ10年間で日雨量が100ミリを超えたのは2年でした。その2年も100ミリを超えた量はわずか7.5ミリと11.5ミリでした。平成12年から8年間は100ミリにも達していないという状況であります。
 これで私が幾ら笙の川の治水安全度の低さを言っても世間の反応が得られないのは納得できました。
 しかし、過去に水害が発生しなかったからといって、これから大雨が降らないという保障はどこにもないと思います。こんなときこそ天に感謝し、いつかは来るであろう災害に備えなければいけないと思います。
 そこで、これは私の提案ですが、県の言う30年かけて降雨量確率50年、流下能力950立米パーセコンドで引き堤をするのではなく、基本計画案のとおり流下能力1200立米パーセコンド、川幅も70メートル引き堤し125メートルにして、市民の安全、安心に暮らせる笙の川にすべきだと思います。
 ちなみに、河口より木の芽川合流点1500メートル間の概算工事費は350億円と聞いております。この工事を30年間で実施するとすれば年間工事費は11億6700万円となり、県、国の負担の割合は年間5億8000万円となります。そして、敦賀市は地元負担としてその1割、5800万円ぐらいが必要になると思います。
 また、笙の川の評価ですが、流域面積163キロ平方メートル、はんらん面積1100ヘクタール、同資産価値は6700億円、また密度は6億円パーヘクタールとなっており、非常に高い評価です。たとえここに350億円投資しても費用対効果を考えれば当該事業は非常に有効かつ適正な事業であると私は思いますが、市長の考えを再度お聞きいたします。

13 : ◯副市長(塚本勝典君)

私のほうから答えさせていただきますが、確かに敦賀市というのは市街地に資産あるいは人口、非常に集積しておりまして、そういった観点から基本計画としては100年に1回、100分の1というような計画を立てているというふうに思っております。河川管理者としては非常に敦賀のこの笙の川は重要度が高いというふうな認識を持っているというふうに思っております。
 ただ、今350億円というような試算を話されましたけれども、確かに300億円以上かかるということは思っておりますけれども、そういった膨大な予算を投入していく、非常に長い年月がかかるというふうに思います。やっぱり完成しないとその効果がなかなか発現できない、なかなかきちっとした安全度が高まっていないというようなことが言えるわけでございまして、それよりも、とりあえずは50分の1で暫定的に掘削していく。それは将来形に対する手戻りではなくて、そこの100分の1に向かって徐々に安全度を上げていくというふうに解釈すべきではないのかな。そうしますと、50分の1に向かって河床掘削をすることによって徐々に安全度も上がっていく。それが30年かかって50分の1ぐらいのレベルまで上げていく。こういったことが県の考え方であるというふうに思っております。
 今回、説明会等を行って、いやそうじゃなくて、今議員のおっしゃるとおり、やはりこれだけの資産を持った流域なんだから100分の1で早急に解釈すべきだというような御意見等もありますし、またそんなことが説明会でも出ておりましたので、今後そういった住民の意見を踏まえながら、県はその案を取り外して、今度は河川整備計画と位置づけするときに、その辺のことをどう判断されるかということを注視していきたいというふうに思っております。

14 : ◯8番(馬渕清和君)

いろいろ話を聞かせていただきましたけれども、河川を拡幅すれば当然、立ち退きの問題が発生すると思います。敦賀市としては、やはり立ち退き先の問題を責任を持って解決しようといって、県に働きかけるべきだと思います。
 そして、その原資として考えられるのが原子力発電所地域振興策の見返りとして国より80から100億円をいただき、中央校下の某大手企業の工場用地を取得して、そこへ区画整理を実施し、立ち退き先の代替地として県に提供してはどうかと思います。そして、協力していただいた企業さんには、その代替地として若泉町の工業用地域をあっせんしてはどうかと思います。また、現在使用されている工業用水の全量を既得権益として会社存続中は保障すると確約し、パイプラインを新設し工業用水を提供するということではどうでしょうか。
 河川は、治水上の機能に加え、健全で潤いのある都市の育成を推進する上で重要な役割を果たすものだと思います。例えば、さまざまな動植物が生息する水と緑の空間として、都市住民に潤いと安らぎをもたらすオープンスペース機能があります。また、沿川地域と一体となって潤いのある都市景観を形成する機能、人の集まる魅力ある水辺空間やイベントなどの開催場所として地域活性化の場を提供する機能。そして震災時における避難地、延焼遮断帯、消火用水の供給源等の災害機能等があります。
 このように、河川は市街地の安全性を向上させるほか、さまざまな機能を有する施設であります。そして、引き堤により発生した河川敷の後背敷を活用し、そこに嶺南では初めての本格的な河川公園を新設してはいかがでしょうか。
 敦賀市といえば、原子力発電所立地のパイオニアの都市であります。今までの貢献度に対し、電力事業、国などの協力をいただき、河川公園のライトアップ化を図ってはいかがでしょうか。私は、金ケ崎緑地にまさるとも劣らぬ敦賀の新名所になると思います。
 それから、仮に河口から木の芽川合流点まで70メートル引き堤した場合、335戸の家屋移転が必要とされております。1戸の移転先の費用を仮に4000万とした場合、家屋移転費用だけでも134億円の巨費となります。そして住宅の場合、経済波及効果は約10倍と言われております。その結果、1340億円という巨大な経済波及効果をもたらします。まさに巨大プロジェクトとして強力に推進する値打ちはあるのではないかと私は思います。そのほかにも220億円程度の事業を行うわけですから、河川改修事業は、まさに優等生の公共事業だと思います。
 話は変わりますが、敦賀市の公共事業は、敦賀新港の工事が終わればこれといった事業もありません。そして、このまま公共事業が少なくなると市内の建設業、建築業、水道業者等、会社の機械もオペレーターも手放してしまい、冬期の除雪にも支障を来す事態がすぐそこまで来ているのではないかと思います。
 そういう意味でも、公共事業には以前無駄な事業もあったように聞き及んでいますが、河川事業整備は事業主体は県ですし、1割程度の事業負担はかかりますが、まちがきれいになり、住民が安心、安全に暮らせる上に、まちが活性化し活気がよみがえります。まさに敦賀のまちづくりの原点は笙の川水系の河川整備をすることによって大きく変わると思います。
 今や敦賀市は農地が減少し、平野部での貯水能力が激減している上に、それに加えて森林が荒廃し、山野の保水力も減少しております。以前よりも一たん大雨が降った場合、水害が発生する可能性が非常に高いということは認識すべきだと思います。
 私は、さきの議会で、河床掘削だけで対応しても内水はんらんは解決しないと質問しました。理事者側の答弁は、松島ポンプ場の排水能力を増強することにより二夜の川の排水能力を高めることができると回答されました。しかし、二夜の川都市下水路は180ヘクタールで計画されているにもかかわらず、現状は250ヘクタールの地域の雨水が流入しております。ポンプ場の状況もさることながら、下水路そのものの能力を高めることが必要だと思います。ということは、松島、呉竹から中央、昭和、野神地区等の下水路全体を見直し改築をしなければ、この問題は解決しないと思います。
 このことは市の単独事業を大幅にふやし、財政を圧迫します。事業期間も長期にわたります。それよりも、笙の川を引き堤し、松島ポンプ場を補償工事で松島橋付近に移築し、新たに昭和町及び野神ポンプ場を新設する計画をしていただければ、左岸側の内水はんらんも解決に向け進展するのではないかと思います。
 最後になりますが、先ほども言いましたが、笙の川沿川の各町内の会館に出向いて、各団体の長と住民に集まってもらい説明会を行政としてやっていただくことを要望いたします。また、その考えをお聞きいたします。

15 : ◯副市長(塚本勝典君)

今の馬渕議員の非常に笙の川の改修に対する熱い思いを聞かせていただきました。確かに今、整備計画、さらに基本計画、50分の1から100分の1に向かって順次整備がされていく中で、今言われたような笙の川の改修に伴う夢のようなプラン。私も敦賀に寄せていただいたときに、市民のある方からその話も聞かせていただいたわけでございます。ぜひそういう整備計画、基本計画、ステップが上がっていくごとに、その時期が来ましたらぜひまた参考にさせていただきたいというふうに思います。
 以上でございます。